所有している土地に建つ空き家が、いつの間にかゴミ屋敷と化し、不法投棄の温床になってしまうことがあります。放置すれば放火のリスクや倒壊の危険が高まり、土地所有者としての工作物責任を問われることにもなりかねません。このような状況を打破するために、弁護士ができる助言は多岐にわたります。まず、空き家の所有者が判明している場合は、その人物に対して法的にゴミの撤去と建物の適切な管理を求める催告を行います。もし所有者が死亡しており、相続人が誰かわからない、あるいは全員が相続放棄をしているような場合は、家庭裁判所に対して「相続財産清算人」の選任を申し立てる手続きが有効です。弁護士がこの手続きを代行することで、法的な管理人を立て、その管理人の権限で建物の解体やゴミの処分を進めることが可能になります。また、隣地からゴミが侵入してきているような場合には、民法の改正により新設された「所有者不明建物管理制度」や「管理不全建物管理制度」を活用できる可能性もあります。これらの新しい制度を使いこなすには、専門的な法的知識が不可欠です。弁護士は、現状の調査から、どの制度を利用するのが最も効率的で費用対効果が高いかを判断してくれます。さらに、自治体の空き家対策特別措置法に基づいた特定空き家への指定を働きかけるなど、行政との交渉も弁護士の重要な役割です。土地の所有者としては、自分の土地を有効活用したい、あるいは売却したいと考えているはずですが、ゴミ屋敷はそのすべての計画を妨げます。法的な障害を一つずつ取り除き、クリーンな土地に戻すための戦略を立てることは、不動産価値を守るための投資とも言えます。専門家の知恵を借りることで、複雑に絡み合った所有権や管理責任の問題を整理し、未来に向けた土地活用を再開することができるのです。また、搬出したゴミは即座に廃棄できるわけではなく、一定期間、保管場所で管理しなければならないというルールがあるため、その保管料も考慮する必要があります。これらの費用は原則として住人の負担となりますが、住人に資力がない場合は、一旦は申立人であるオーナー側が立て替えなければなりません。弁護士は、この立て替えた費用を回収するために、住人の給与差し押さえや預金差押えといった次の一手を検討してくれます。強制執行は非常に強力な手続きであり、それゆえに事前の準備がすべてと言っても過言ではありません。どのゴミを捨て、どのゴミを保管するかという現場での瞬時の判断を誤れば、後で訴えられるリスクもあります。弁護士という法的な盾があるからこそ、このような荒療治も安全に、かつ確実に行うことができるのです。
土地の所有者がゴミ屋敷化した空き家を整理するための法的助言