ゴミ屋敷という家庭環境は、高校生の学校生活にも様々な形で影響を及ぼす可能性があります。それは、単に「家に友達を呼べない」という悩みだけにとどまりません。まず考えられるのは、学業への影響です。家の中に勉強に集中できるスペースがない、教科書やノート、プリント類がどこにあるか分からない、睡眠不足になりがちなど、学習環境の悪さが成績不振につながることがあります。また、常に散らかった環境にいることで、集中力や計画性が養われにくくなる可能性も指摘されています。学校への持ち物の管理も困難になる場合があります。必要な学用品を忘れたり、失くしたりすることが多くなったり、体育着や制服が汚れていたり、シワになっていたりすることも。周囲の目が気になり、学校へ行くこと自体が億劫になってしまうかもしれません。身だしなみにも影響が出ることがあります。清潔な衣類がすぐに見つからなかったり、入浴する環境が整っていなかったりすると、衛生的な問題が生じ、いじめやからかいの対象になってしまうリスクも考えられます。精神的な影響も無視できません。家庭環境に対する劣等感や羞恥心から、自己肯定感が低くなり、何事にも消極的になったり、逆に、問題行動を起こして周囲の気を引こうとしたりすることもあります。常にストレスや不安を抱えているため、精神的に不安定になりやすく、友人関係のトラブルや、不登校につながるケースも少なくありません。部活動など、学校外での活動にも支障が出ることがあります。遠征や合宿に必要な持ち物の準備ができなかったり、費用が捻出できなかったり(ゴミ屋敷の背景に経済的困窮がある場合)、あるいは家庭内の問題を理由に参加を諦めざるを得なかったりすることもあるでしょう。このように、ゴミ屋敷という環境は、高校生の学習面、生活面、精神面、人間関係など、学校生活のあらゆる側面に影を落とす可能性があります。周囲の大人は、単に「だらしない子」「問題のある子」と捉えるのではなく、その背景にある家庭環境にも目を向け、適切なサポートを提供していく必要があるでしょう。
ゴミ屋敷が高校生活に与える影