家をゴミ屋敷にしてしまうのは、多くの場合、親、あるいは同居する家族です。そんな状況に置かれた高校生は、親に対して複雑な感情を抱きながら、日々を過ごしています。反発や怒りを感じる一方で、親を心配する気持ちや、見捨てられないという思いの間で揺れ動き、どう向き合っていけば良いのか分からなくなってしまうことも少なくありません。まず理解しておきたいのは、親がゴミ屋敷にしてしまう背景には、単なる「だらしなさ」だけでなく、精神的な疾患(うつ病、統合失調症、強迫性障害など)、発達障害(ADHDなど)、あるいは認知症、深刻なストレスや孤立など、様々な要因が隠れている可能性があるということです。親自身も苦しんでいるのかもしれない、という視点を持つことは、一方的に親を責める気持ちを和らげ、冷静に向き合うための第一歩となります。しかし、だからといって、高校生が親の抱える問題の全てを背負う必要はありません。あなたは親の保護者ではなく、子どもです。自分の人生を守り、健やかに成長する権利があります。親との関係においては、適切な距離感を保つことも大切です。親の機嫌をうかがったり、親の代わりに家事や片付けを全て引き受けようとしたりすると、共依存のような関係に陥ってしまう可能性があります。自分の感情や意見を伝える努力は必要ですが、それで親が変わらない場合もあります。その場合は、自分の心の健康を守ることを最優先に考えましょう。物理的に可能であれば、自分の部屋だけでも清潔に保ち、自分の居場所を確保することが大切です。勉強に集中できる環境、安心して眠れる場所があるだけでも、精神的な安定につながります。親との関係や家庭環境について、一人で抱え込まず、信頼できる大人に相談することも重要です。学校の先生、スクールカウンセラー、親戚などに話を聞いてもらうだけでも、気持ちが整理されたり、客観的なアドバイスをもらえたりします。状況によっては、児童相談所や地域の福祉機関などの専門的なサポートが必要になる場合もあります。親と向き合うことは、非常にエネルギーのいることです。時には距離を置くこと、外部の助けを借りることも選択肢に入れながら、自分自身の未来を見据えて行動していくことが大切です。