賃貸アパートやマンションでウジ虫が発生してしまった場合、その駆除や清掃の責任は誰にあるのでしょうか。この問題は、発生の原因によって対応が大きく異なります。まず、ウジ虫の発生原因が、入居者のゴミの放置や不衛生な生活習慣にある場合、その駆除と清掃の責任は原則として入居者が負うことになります。これは、賃貸借契約における「善管注意義務（善良な管理者の注意をもって借りた部屋を管理する義務）」に違反すると見なされるためです。自力での駆除が困難な場合は、専門業者に依頼することになりますが、その費用も自己負担となるのが一般的です。放置した結果、床や壁にシミや臭いが染み付いてしまった場合、退去時に高額な原状回復費用や特殊清掃費用を請求される可能性も十分にあります。一方で、ウジ虫の発生原因が、建物の構造上の欠陥（例えば、浄化槽の不具合や共用部の配管の破損など）にある場合は、大家や管理会社が責任を負うべきケースも考えられます。この場合は、速やかに大家や管理会社に状況を報告し、対応を求める必要があります。その際、いつから、どこに、どのような状況で発生しているのかを写真などの記録と共に具体的に伝えることが重要です。いずれにせよ、ウジ虫を発見したら、まずはその事実を隠さずに大家や管理会社に報告・相談することが賢明です。問題を放置すれば、状況は悪化する一方で、近隣トラブルに発展する可能性もあります。誠実な対応を心がけることが、問題を円満に解決するための第一歩となるでしょう。